1950年までわが国の死亡率の首位を独占していた結核ですが、栄養状態の向上や、ストレプトマイシンなどの特効薬の開発、BCG接種の普及により、その数は激減しました。
しかし現在でも年間で約3万人もの患者が新たに発生し、死亡者も約2千人です。
決して「過去の病気」とはいえない状況なのです。
現在、新規結核患者の大半が70歳以上の高齢者です。
1950年代まで、全国で毎年50万人近い結核患者がでており、多くの高齢者が過去に結核菌に感染しています。そのときからだの中に入った結核菌は、身体のもっている抵抗力つまり免疫力によって押さえ込まれます。そのため、菌は肺の中におとなしく潜んでいます。これを休止状態といいます。
しかし、高齢化や病気などでその人の抵抗力が衰えると、それをきっかけに菌があばれだし、つまり活動を始め、発病することがあります。これを「内因性再燃」と呼び、最近はこのようなケースが大変増えています。
また、もう一つの重要な問題として、20~30代の若者の結核罹患率が増加傾向にあることです。
-
不規則な生活や無理なダイエット、不規則な生活などでからだの抵抗力が衰えている若者が増えていること
-
不特定多数の人が訪れる密室の増加(カラオケボックス、サウナ、カプセルホテル、ネットカフェなど)
-
患者、医療側ともに結核に対する意識が低いため、長引く咳などの症状があっても風邪などと思い、受診や診断が遅れること、(特に働き盛りの年代に多い)
などの理由が考えられています。
また、住所不定者や外国人といった、健康管理されない人たちが増えていることも問題になっています。結核は、世界的にみても、人口の1/3が感染している、深刻な病気です。この機会に、結核についての理解を深めましょう。
財団法人結核予防会富山県支部では、県民の皆さんの結核への関心を高めるとともに、結核に関する知識を深め、人権に配慮した結核対策の推進を行っています。
期間中の主なイベント等
-
■ 複十字シール運動の実施
平成21年8月1日から12月31日まで
-
■ 「がん予防展」における「結核予防コーナー」の設置
平成21年9月1日から30日まで
場所:とやま健康パーク
-
■ 全国一斉複十字シール運動キャンペーンの実施
-
平成21年9月23日(祝)
場所:富山市総曲輪通り付近
結核について理解を深めるために
-
■ 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/index.html#t_09
-
■ 公益財団法人結核予防会結核研究所 http://www.jata.or.jp/index.html
-
■ 公益財団法人結核予防会 http://www.jatahq.org/about_tb/index.html
Copyright 2011 TOYAMA PREFECTURE HEALTH PROMOTION CENTER. All rights reserved.